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退職勧奨を断り続けて応じない場合!拒否されたその後の対応方法は?

拒否されたその後の対応方法は?
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退職勧奨を考えている園の方で、職員が退職勧奨に応じない場合の対応についてお悩みの方はいらっしゃいませんか?

退職勧奨は、職員を説得して退職を促す行為ですので、職員が退職を拒否し、応じない場合も考えられます。拒否された場合、そのまま退職勧奨を執拗に続けてしまうと「退職強要」となり、損害賠償の対象となることがあります。一方で、解雇をするとなると、こちらも非常にハードルが高くなります。解雇が有効と認められるためには、解雇事由となる証拠を綿密に準備し、法的根拠に基づいて慎重に手続きを進めていく必要があります。もし解雇が無効と判断された場合には、多額の慰謝料や解雇時以降の賃金の支払いだけでなく、解雇した職員を復帰させなければならなくなる可能性もあります。

このようなリスクを回避するためには、退職勧奨をする際に、職員が退職に応じない場合の対応方法をあらかじめ想定し、準備しておくことが重要なのです。

この記事では、職員が退職勧奨に応じない理由や、応じない場合の職員側のメリット・デメリットについて説明し、退職勧奨を拒否された際の注意点や対応方法について詳しく解説します。

 

1.退職勧奨ってそもそも拒否できる?

そもそも退職勧奨をされた場合、職員はそれを拒否することはできるのでしょうか。以下で見ていきましょう。

 

1−1.退職勧奨とは?

退職勧奨とは、園などの雇用主から雇用している職員に対して退職を促し、職員の退職の意思表示により、又は、双方合意の上での雇用契約の終了を目指す行為です。雇用主からの一方的な意思表示による雇用契約を終了する「解雇」とは違って、任意に退職を促す行為になるので、法的な強制力はありません。

 

1−2 退職勧奨は拒否できる?

退職勧奨はあくまで任意に退職を求める行為ですので、たとえ雇用主から「退職してほしい」と言われても職員がそれに応じる必要はありません。したがって、職員が退職の理由や退職することに納得できない場合は、当然に退職勧奨を拒否することができます。

 

2.職員が退職勧奨に応じない場合のよくある理由

退職勧奨において、合意を成立させるために重要なことは、職員の立場に立って退職勧奨に応じない理由を考えることです。その理由に見当がつかないと、職員を説得するための交渉材料を作ることができません。では、職員が退職勧奨に応じない場合の理由としては、どのようなものがあるのでしょうか。

よくある理由としては以下のようなものがあります。

 

  • (1)同じ職場で働き続けたい
  • (2)退職の理由に納得できない
  • (3)再就職ができるか不安である
  • (4)退職後の経済的な不安がある
  • (5)雇用主への不満がある

 

職員によって、退職を拒否する理由は異なります。その理由を見極めて、退職勧奨の方法を調整していく必要があります。

例えば「(4)退職後の経済的な不安がある」の場合であれば、退職金や解決金の支払いを検討するといった方法があるでしょう。また、「(5)雇用主への不満がある」のように、雇用主に対して不満があって、実際に退職勧奨の面談等を担当する職員に対して感情的な対立があるようであれば、退職勧奨の担当を別の管理職に変更して感情的な不和を解消し、話合いを進めやすくする方法や、もしくは弁護士に対応してもらうことによって、より客観的な視点で説得を試みる方法があるでしょう。

退職勧奨の際には、職員の立場や感情をくみ取った上で、相手が退職に納得するような条件を提示していく必要があるのです。

 

3.職員が退職勧奨を断り続けるメリットとデメリットは?

職員が園からの退職勧奨を断り続けると、職員にとってどのようなメリット及びデメリットがあるのでしょうか。以下で解説します。

 

3−1.メリット

職員が退職勧奨を断り続けるメリットは、これまでと同じ職場・同じ労働条件で働き続けることができることです。退職勧奨は職員側に承諾する・しないの自由があるので、承諾しないからといって職場での待遇や立場が変わるわけではありません。むしろ、職員が退職に応じないからといって、園が職員に不利益な処分等をすることは、違法行為となる可能性があります。

 

3−2.デメリット

職員が退職勧奨を断った場合のデメリットは、有利な条件での退職ができなくなってしまうことです。退職勧奨の際には、職員に退職に合意してもらうための説得材料として「退職金を上乗せして支払う」「解決金を支払う」などの条件を雇用主側が提示することがあります。退職勧奨を断ってしまうと、このような金銭的に優遇された条件での退職ができなくなる可能性があります。

また、退職勧奨に応じて退職する場合は「会社都合退職」となりますので、退職後に早くから失業保険の給付を受けることができます。一方で、退職勧奨を断ってしまった後に考えが変わり、やはり退職したいと考えて自主的に退職をすると「自己都合退職」となり、その場合には失業保険給付を受けられるのは数カ月先になってしまうので、その点でも職員側に金銭的なデメリットがあります。

また、退職勧奨を断り続けることで解雇とされてしまった場合、職員は30日分の解雇予告手当を受け取るだけになってしまい、もし退職勧奨の話合いの中で退職金の上乗せなどの提示がされていたとしても、そのような金銭は受けとることはできなくなります。もちろん、解雇を不当として訴訟を起こすことも可能ですが、弁護士費用や訴訟にかかる時間等を考えれば、決して簡単なことではありません。

このように、退職勧奨を断り続けることは、職員にとってもデメリットとなることがあるのです。

 

▶参考:退職勧奨の場面での「会社都合退職」と「自己都合退職」の違いについて詳しくはこちらをご覧ください。

退職勧奨は会社都合退職?自己都合退職?離職票の書き方や注意点を解説

 

 

4.退職勧奨に応じず拒否された場合のその後の対応

退職勧奨に応じず拒否された場合のその後の対応

では、職員が退職勧奨に応じない場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。以下で対応方法の注意点を踏まえて詳しく解説します。

 

4−1.退職勧奨を断り続けて応じない場合の不利益取扱いの禁止等の注意点

職員が退職勧奨を断り続け、退職に応じない場合、園側としては退職してもらいたいという気持ちが先行するあまりに、退職に応じないことを理由とした不利益な取扱いをしてしまうことがあります。しかし、退職勧奨はあくまで任意の手続きであるので、これに応じないことは不利益取扱いをすることの根拠とはなりませんので、注意してください。

退職勧奨に応じないことのみを理由とする不利益的取り扱いのうち違法行為とされる可能性のある具体例としては以下のようなものがあります。

 

  • ① 解雇すること。
  • ② 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。
  • ③ あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。
  • ④ 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。
    * 勧奨退職や正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更は、労働者の表面上の同意を得ていたとしても、労働者の真意に基づくものではないと認められる場合には、これに該当します。
  • ⑤ 不利益な自宅待機を命ずること。
  • ⑥ 降格させること。
  • ⑦ 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。
  • ⑧ 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。
  • ⑨ 不利益な配置の変更を行うこと。
    * 産前産後休業からの復帰に当たって原職又は原職相当職につけないことを 含みます。
  • ⑩ 就業環境を害すること。
  • ⑪ 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働 者派遣の役務の提供を拒むこと。

 

▶参照:①厚生労働省「禁止されている解雇その他不利益な取扱いの典型例」より(pdf)

▶参照:②厚生労働省「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針(平成18年厚生労 働省告示第614号)」p25・26

 

ただし、この不利益取扱いが禁止される場合はあくまで退職勧奨を理由とした場合であり、職員の勤務不良等の個別の事情によって降格や配置転換等をすることは、直ちに違法となるわけではありません。職員に対して不利益な取扱いとされる処分を行う場合は、退職勧奨を拒否したこととは別の処分として行うことが重要です。

 

4−2. 拒否された場合のその後の具体的な対応方法

職員が退職勧奨を拒否した後の具体的な対応方法について、以下で詳しく解説します。

 

(1)注意指導

職員の能力不足を理由に退職勧奨をする場合、職員に自分自身が能力不足であるという認識がない、もしくは能力不足と感じていても気にも留めていないという場合があります。能力不足以外にも、例えばパワハラやセクハラを繰り返す職員等も同様で、周りから問題だと認識されている言動を本人が自覚していないということはよくあります。このような場合に、退職勧奨の場で、能力不足である、もしくは、あなたの行為はパワハラにあたるなどと急に言われても納得できず、退職勧奨を拒否するというようなケースがあります。

このようなケースでは、職員の誤った自己認識を修正するためにも、職員への注意指導を続けていくことが大切です。そして、指導をしていく際には「①指導方針を決める/②複数人での指導体制を作る/③指導記録をつける」など、計画的に実施し、記録を残しておくことが重要です。

また、指導の際には「相手の人格を否定する」「大声で威嚇する」といった行為はしないように注意してください。このような言動を伴った指導は「パワハラ」とみなされ、後に損害賠償責任を負うおそれがあります。感情的にならず、相手に自分の問題点を自覚させるように、改善点を具体的に示すようにしましょう。

このように丁寧な注意指導の段階を踏んでもなお職員の問題行動が改善されない場合には、改めて退職勧奨を行う、もしくは解雇に踏み切るといった、次の手続きに進むことが考えられます。

 

▶参考:退職勧奨がパワハラになる場合について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

退職勧奨がパワハラになる場合もある!?注意すべきポイントを解説

 

 

(2)解雇以外の懲戒処分

問題となる職員の行為が就業規則で規定した懲戒事由に該当する場合は、懲戒処分を行うことが考えられます。法律上、労働者10名以上を使用する使用者が懲戒制度を設けるときは、その内容を就業規則で定めることが義務付けられています(労働基準法89条9号)。諭旨解雇、懲戒解雇以外に、一般的に定められていることが多いのは以下のような懲戒処分です。

 

  • 戒告
  • 譴責(けんせき)
  • 訓戒
  • 減給
  • 出勤停止
  • 降格

 

懲戒処分は職員に重い制裁を科すものであることから、あらかじめどのような行為が懲戒処分に当たるのか、どのような制裁があるのかを就業規則で明確に定め、周知しておくことが求められます。そのため、懲戒処分を行う前に就業規則の懲戒規程を確認して、当該職員の行動が処分事由に該当するかどうかを検討した上で、処分をしなければなりません。

また、退職勧奨の場合は、懲戒処分の目的が、職員が退職勧奨を拒否したための報復と捉えられてしまうと、その効力を争われたり、損害賠償を請求される可能性があります。懲戒処分はあくまで当該職員の行動に起因するものであることを退職勧奨時に説明し、それを録音するなどして説明した記録を残しておくことが望ましいでしょう。

 

▶参考:労働基準法第89条

(作成及び届出の義務)
第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
(略)
九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

・参照元:労働基準法の条文

 

 

(3)配置転換

園には使用者が有する人事権の1つとして、職員に対して配置転換を命令する権限があります。従って、園の配置転換命令に対しては、原則的には職員はその命令に従わなければなりません。ただし、その命令が使用者の権利濫用と判断された場合は違法または無効となります。

配置転換命令権濫用の一般的な判断基準として、①業務上の必要性の有無、②不当な動機・目的の有無、③労働者に「通常甘受すべき 程度を超える著しい不利益」を負わせるものでないかどうかがあげられます(東亜ペイント事件・最二小判昭 61・7・14)。

また、雇用契約上、職種や勤務地が限定されている場合には、限定された職種の配置転換や勤務地への異動は原則としてできません。

配置転換も「(2)解雇以外の懲戒処分」と同様に、退職勧奨に応じないことを理由として行ってはならず、あくまで業務上の必要性があるための配置転換でなければなりません。退職勧奨後に配置転換を行う場合には、特にこの点に注意し、上記の基準に照らし、権利濫用に当たらないこと、雇用契約書に職種や勤務地が限定されているなどの規定がないかどうかを確認するようにして、事前に配置転換が予定されていることを説明しておくことが大切です。

 

裁判例:東亜ペイント事件(最判昭和61・7・14)

 

●事件の概要

新規大卒で営業担当者として採用されたXは、Y社からの神戸から広島への転勤の内示を家庭の事情を理由に拒否し、続いて名古屋への転勤の内示も同様に拒否したことから、Y社は就業規則所定の懲戒事由に該当するとしてXを懲戒解雇したところ、Xが転勤命令と懲戒解雇の無効を主張して提訴した事案です。

 

●裁判所の判断

裁判所は、特に転居を伴う転勤は、労働者の生活関係に影響を与えることから、転勤命令権は無制約に行使することができるものではなく、これを濫用することは許されないとしつつも、当該転勤命令につき業務上の必要性が存しない場合又は業務上の必要性が存する場合であっても、当該転勤命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき、もしくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等、特段の事情の存する場合でない限りは、当該転勤命令は権利の濫用になるものではないと述べました。

そして、本件転勤命令には業務上の必要性が優に存在し、名古屋営業所への転勤がXに与える家庭生活上の不利益は、転勤に伴い通常甘受すべき程度のものであり権利を濫用したとはいえないとして、大阪地裁・高裁の判決を破棄、差し戻しをしました。

 

▶参照:最高裁判所判例の詳細はこちら

 

(4)解雇

職員から退職勧奨を拒否された場合、解雇するという手段もあります。しかし、解雇は法的にも厳しく制限されており、無効とされてしまうことも多くあります。解雇が無効と判断されると、復職までの期間の賃金を支払わなければならなかったり(バックペイ)、不当な解雇をされたことに対する慰謝料を請求される恐れもあります。

ここでは、普通解雇と懲戒解雇の3つについて詳しく説明します。

 

1.普通解雇

普通解雇とは、労働者が労働契約に定めた本旨に基づいた労務を提供しない場合、つまり、労働者側の債務不履行を理由にした解雇のことです。具体的には、職員の能力不足、身体の障害等を理由とします。

普通解雇は通常就業規則に記載されている解雇事由に則って行います。しかし、就業規則に記載されている解雇事由に該当するからといって、当然にその解雇が有効となるわけではありません。解雇の理由、状況、解雇に至るまでのプロセス等を総合的に考慮して、当該解雇に客観的な合理的理由があるか、社会通念上相当性があるかどうか等の要件を満たす必要があります。これらの要件を満たさない解雇は違法とされ、無効となります(労働契約法第16条)。そのため、労働者を有効に解雇することは、非常にハードルの高いものとなります。

 

▶参考:労働契約法第16条

(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

・参照:労働契約法の条文

 

 

退職勧奨後に普通解雇をする場合は、解雇をする前に、労働者に対して必要な注意指導を行う、適切な配置転換をして労働者の適性に合った環境を整える等、園側ができ得る対応を十分に行うこと、そして、懲戒処分の理由がある場合には、比較的軽微な懲戒処分を行い、それでもなお労働者の労務状況が改善されない、といった前提を作っておくことが重要です。また、これらの事実を証明するための資料、例えば指導記録等を作成し、作成した書面やメール、面談を録音したデータ等は確実に残しておくようにしましょう。

 

2.懲戒解雇

懲戒解雇は、企業秩序を著しく乱した労働者に行われる、懲戒処分の中でも最も重い処分となります。そのため、懲戒解雇を行った労働者から訴訟を起こされた場合、裁判所は、懲戒解雇に客観的に合理的な理由があるかどうか、その懲戒解雇が社会通念上相当であるかどうか等をかなり厳しく審査します。そして、処分に相当性がないと判断された場合、懲戒解雇は無効となり(労働契約法第15条)、多額の損害賠償請求を受けたり、懲戒解雇した労働者を職場に復帰させなければならないことになる可能性があります。

 

▶参考:労働契約法第15条

(懲戒)
第十五条 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

・参照:労働契約法の条文

 

 

したがって、退職勧奨を拒否された後に懲戒解雇する際には、就業規則上の処分事由の根拠となる証拠が十分にあるかどうかをよく検討する必要があります。ただし、就業規則に則っていたとしても、その懲戒解雇が客観的に合理的であり、社会通念上相当と認められない限り有効な処分とはなりません。この判断には法的な専門性が必要となりますので、懲戒解雇を行う際には、事前に弁護士へ相談するようにしましょう。

 

5.退職勧奨を拒否される場合の対応を弁護士に相談すべき理由

4−2. 拒否された場合のその後の具体的な対応方法」 で解説したように、退職勧奨を拒否された場合の対応にはいくつか方法がありますが、どの方法で行うにしても、進め方を誤り訴訟トラブルに発展すると損害賠償責任を負う可能性が十分にあり、園にとって大きな経済的損失になってしまいます。

特に解雇することを選択する場合は、「4−2. 拒否された場合のその後の具体的な対応方法」の「(4)解雇」 で述べたように、法的にかなりハードルが高くなりますので、リスクを最小限にするために慎重に手続きを進めなければなりません。

このような場合に弁護士に相談することで、注意指導の体制の整え方や解雇手続きを進める場合のリスクの程度、証拠の収集の仕方等のアドバイスを適時に受けることができます。また、万が一訴訟に発展した場合の対応も可能です。

弁護士法人かなめでは、このような労働問題にはもちろん、幼保業界にも精通した弁護士が、チャットなどのツールを使っていつでも相談を受けられる体制が整えられています。退職勧奨を行う際には事前に弁護士に相談するようにしましょう。

 

▶参考:退職勧奨を弁護士に相談した場合の費用やサポート内容については、こちらの記事をご覧ください。

退職勧奨は弁護士に相談を!費用やメリット、サポート内容を解説

 

 

6.退職勧奨に関して弁護士法人かなめの弁護士に相談したい方はこちら

弁護士法人かなめの弁護士に相談したい方はこちら

弁護士法人かなめでは、幼保業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1)退職勧奨の後方サポート
  • (2)退職勧奨の窓口業務
  • (3)団体交渉対応
  • (4)労働基準監督署対応
  • (5)労働判例研究会
  • (6)顧問弁護士サービス「かなめねっと」

 

6−1.退職勧奨の後方サポート

退職勧奨は職員との話し合いによって退職に合意してもらうという手段であるがゆえに、職員が退職を拒否することはあらかじめ想定しておくべきことです。したがって、退職を拒否された場合の対応についても事前に準備しておいた上で退職勧奨を行う必要があります。

このような事前準備なしに退職勧奨をした結果トラブルに発展してしまい、どう対応しようかと焦ってしまうよりも、問題のある職員がいるがどうしたらよいか、と考えた時点で弁護士に相談し、退職勧奨をするのかどうかも含めて方向性を検討する方が、園の負うリスクも負担も圧倒的に少なくすることができるのです。

弁護士法人かなめでは、問題職員への対応を含め、退職勧奨を進める際の注意点や適切な方法についての助言ができますし、退職勧奨を進める事前準備の段階から、退職勧奨後の手続き、万が一のトラブルの対応までトータルにサポートすることができます。これにより、園の方の負担を軽減し、一番大切な通常業務にできるだけ支障のないように支援することができます。

 

6−2.退職勧奨の窓口業務

退職勧奨は、基本的には、園が主体となって対象職員と交渉を進めていきますが、場合によっては弁護士が早い段階で対象職員の指導や、退職の交渉に介入した方が問題が早く解決することもあります。また、対象職員が交渉の段階で労働組合等に加入し、団体交渉の申し入れがあった場合などには、弁護士が窓口となる方が、日々の業務に対応しやすい場合もあります。

弁護士法人かなめは、退職勧奨の際の窓口や、このような団体交渉への対応経験も豊富であり、窓口対応を任せることで、園運営への支障や交渉の不安を解消することができます。

 

6−3.団体交渉対応

退職勧奨を拒否した職員が、退職強要を受けたことを協議事項として、労働組合を通じ園側に対して団体交渉を行うことが考えられます。

団体交渉は、不当労働行為にならないように配慮しつつ、労働組合に主導権を握らせないように対応する必要があり、会社の実情をも踏まえた迅速かつ臨機応変な対応が求められます。そのため、団体交渉の申入れがあった場合には、すぐに弁護士の意見を仰いでおくことが重要なのです。早期に相談を受けられれば、申入書への初動、団体交渉の進め方等について適切な支援ができる可能性が高まります。

弁護士法人かなめでは、このような団体交渉の初期段階から相談を受け、初動からきめ細やかなサポートをすることで、団体交渉に対して適時に助言をすることができます。また、団体交渉へ同席し、労働組合との交渉をサポートしています。

不当労働行為をすることなく、主導権を握って労働組合と交渉するためには、正確な法的知識と経験が必要になるため、弁護士のサポートは不可欠です。弁護士が団体交渉の場へ同席することにより、不当な要求を拒絶することができるだけでなく、法的な知識がないことを理由とするトラブルを避けることができます。

 

6−4.労働基準監督署対応

「突然労働基準監督署から調査をしたいとの連絡があった」との相談も、弁護士法人かなめがよく受ける相談の1つです。

指導や人事処分を受けた職員が労働基準監督署に駆け込み、法令違反を申告する可能性があります。例えば、退職勧奨を拒否した後に降格命令を受けた職員は、「退職勧奨を拒否したとたんに降格された」と主張する可能性があります。

申告が受理されれば、事実関係の調査のために、事業所には労働基準監督官が派遣されます(立ち入り検査)。この立ち入り調査は、予告なしに行われることもあり、就業規則や従業員名簿などの資料関係の提出も求められます。労働基準監督官は、強制捜査や関係者への聴き取りを実施できる強い権限を持っており(労働基準法第101条1項、102条)、調査を拒んだり、虚偽の回答を行えば、30万円以下の罰金が課せられる場合もあります(労働基準法第120条)。

したがって、事業所は労働基準監督署からの調査には誠実に対応しなければならず、基本的には拒否することができません。
そこで、退職勧奨を拒否した職員への指導を行うにあたり、労働基準監督署への申告が予見される場合は、立ち入り調査への準備を行っておく必要があります。

弁護士法人かなめでは、これまでに多くの労働基準監督署対応を行っており、事業所が労働基準監督署に対応する際の助言の他、園に代わって労働基準監督官に事情を説明したり、労働基準監督署での聞き取り調査に同行するなど、きめ細かなサポートを行っております。

 

6−5.労働判例研究ゼミ

弁護士法人かなめでは、顧問先様を対象に、普段の労務管理の参考になる労働判例を取り上げ、わかりやすく解説する労働判例研究会を不定期に開催しています。
この研究会では、参加者の皆様から生の声を聞きながらディスカッションをすることで、園に戻ってすぐに使える知識を提供しています。

 

▶参考:「労働判例研究会」の紹介はこちら

 

 

6−6.顧問弁護士サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、これらのサービスの提供を総合的に行う顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入し、園内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。そして、弁護士と園の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。直接弁護士に相談できることで、園内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

顧問弁護士サービス「かなめねっと」について詳しくは、以下のサービスページをご覧ください。

 

▶︎参考:幼保業界特化型の顧問弁護士サービス「かなめねっと」のサービス紹介はこちら

 

また以下の動画でも詳しく説明をしていますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎【介護・保育事業の方、必見】チャットで弁護士と繋がろう!!介護保育事業の現場責任者がすぐに弁護士に相談できる「かなめねっと」の紹介動画

 

(1)顧問料

●顧問料:月額6万5000円(消費税別)から

※職員従業員の方の人数、園の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

7.まとめ

この記事では、職員が退職勧奨に応じない場合の対応方法について、職員が退職勧奨に応じない理由や、応じない場合の職員のメリット・デメリットも踏まえて詳しく解説しました。

退職勧奨に応じてもらえず、対応に苦慮して冷静さを欠いてしまうと、話合いの場で不当な圧力をかけてしまったり、不当な解雇を行う等の不利益な取り扱いをしてしまったりして、トラブルや園の負担を拡大してしまうことに繋がりかねません。退職勧奨で職員と円満に退職の合意をするためには、職員が退職勧奨に応じない場合の対応方法も含めて事前に準備をしておくことが重要になります。

労働問題に精通している弁護士であれば、退職勧奨をする際に必要な証拠の整理、職員への注意指導や話合いの方法についての助言、応じない場合の対応等について、法的根拠に基づいてサポートすることができます。

問題職員がいてお困りの方、これから退職勧奨をしようと考えている園の方は、早期に弁護士に相談するようにしましょう。

 

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畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
企業側の立場で幼保事業所の労務事件や保護者対応事件を担当した経験から、幼保事業所での現場の悩みにすぐに対応できる幼保事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、幼保業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「幼保事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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