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退職勧奨がパワハラになる場合もある!?注意すべきポイントを解説

退職勧奨がパワハラになる場合もある!?注意すべきポイントを解説
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問題のある職員に対し、退職勧奨をしようと考えている方はいませんか?

退職勧奨は、あくまで任意で職員に退職してもらう手続きであるため、解雇と比べて違法とされるリスクの低い退職方法です。

しかし、実は退職勧奨が「パワハラ」にあたるとされて、違法とされたケースが少なくないことをご存じでしょうか?
例えば、以下のような事例が違法とされています。

 

  • 退職拒否の意思を明確にしているにもかかわらず、執拗に退職勧奨を繰り返す
  • 相手を侮辱したり人格を否定するような発言をする
  • 大声を出したり、机を叩くなどして威嚇するような行為をする
  • 退職させることを目的として、退職勧奨を拒否した職員を降格をしたり不当な配置転換をしたりする

 

退職勧奨が違法と判断されてしまうと、多額の損害賠償の支払いを命じられたり、退職させた職員を復職させなければならない事態になってしまう可能性があります。

そのため、退職勧奨を進めていく場合、パワハラと判断されないように注意すべきポイントを理解しておくことが必要です。

そこでこの記事では、退職勧奨がなぜパワハラになりやすいのか、パワハラとされる場合の具体例を挙げ、退職勧奨が違法とされた場合のリスク、パワハラ的な退職勧奨が違法とされた裁判例をご紹介し、実際に退職勧奨を行う際の注意点について解説します。

これから退職勧奨をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

 

【参考情報】保育園・幼稚園・こども園など幼保業界における弁護士の必要性や探し方、費用などについては、以下の記事で事例付きで詳しく解説していますので参考にしてください。

保育園・幼稚園・こども園の顧問弁護士!弁護士の必要性や費用の相場を解説

 

 

1.退職勧奨とパワハラの基本知識

そもそも「退職勧奨」や「パワハラ」とは何でしょうか。その意味や定義を見てみましょう。

 

1−1.退職勧奨とは?

退職勧奨とは、園などの雇用主から雇用する職員に対して、「合意による退職」を目指して退職に向けた説得活動を行うことを言います。

雇用主からの一方的な解雇とは違い、退職勧奨は、話合いによって雇用する職員等に自発的な退職を促すものになるため、訴訟トラブルに発展するリスクを回避できる等のメリットがあります。

 

1−2.パワハラとは?

「パワハラ」とは、パワーハラスメントの略称で、2020年6月1日に施行された、いわゆる「パワハラ防止法」(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)の第30条の2においては、「パワハラ」という言葉は使われていないものの、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」と規定されています。

また、令和2年に厚生労働省が公表した、いわゆる「パワハラ指針」(事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して 雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号))では、職場におけるパワーハラスメントを、次の3つの要素を全て満たすものと定義しています。

 

  • 1.優越的な関係を背景とした言動
  • 2.業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
  • 3.労働者の就業環境を害すること

 

2.退職勧奨がパワハラになりやすい理由は?

退職勧奨自体は、職員に対して、あくまで任意で退職を勧める手続きですので、その行為自体には何ら違法性はなく、適切な方法で行えば問題はありません。しかし、実は、これまでに退職勧奨の方法や態様がパワハラにあたるとされ、慰謝料の支払いを命じられる事例は少なくありません。

ではなぜ、退職勧奨はパワハラと判断されやすいのでしょうか。以下で見ていきましょう。

 

2−1.退職勧奨が労働者の地位の喪失を目的とするものであること

退職勧奨の目的は、その職員を辞めさせること、つまり雇用契約を解消し、職員としての契約上の地位を喪失させることにあります。本来、退職勧奨は、相手との話合いを通じて退職に納得してもらう、というものですが、それが上手く進まないと、不適切な言動や態度が表面に出てきてしまいがちです。

このような場面で、管理職側が不当な心理的圧迫をかけたり、本来解雇が難しい事案であるにもかかわらず「退職しなければ解雇する」といったように、脅しのような発言をしてしまったりするケースが散見されます。

 

2−2.同時に厳しい注意指導が実施されること

退職勧奨では、その対象の職員の問題行動に対する、注意指導も併せて行われることが多いです。この段階では、すでに雇用主側の対象の職員に対する不満も大きくなっているので、自ずとその注意指導も厳しいものになりがちです。

職員の問題行動に対してされる注意指導は、たとえそれが厳しいものであっても直ちにパワハラに該当するわけではありません。ただ、その指導の中で「人格の否定」や「大声で威嚇する」、注意指導とともに「暴力をふるう」ということなどがあると、この指導はパワハラに該当すると判断されてしまう恐れがあります。

 

2−3.やめてほしいあまりに態様が厳しくなること

退職勧奨は、あくまで「任意」の手続きであり、退職するかどうかは職員本人の意思にゆだねられます。そのため、もちろん職員が退職を拒否する場合もあります。そのような場合に、どうしても退職してほしいという気持ちが先行してしまい、例えば、職員が明確に退職勧奨を拒否しているにもかかわらず、長時間拘束して何度も繰り返し退職を迫ったり、大声を出して机をたたくなど相手を威圧したりすれば、パワハラと認定されてしまう可能性があります。また、退職勧奨を拒否したことを理由に、わざと過大な業務量を要求したり、業務上の必要もないのに突然別の園に異動させたりすれば、パワハラと認定されたり、違法な配転命令とみなされて無効とされてしまう可能性があります。

 

3.退職勧奨がパワハラになる場合とは?

退職勧奨がパワハラになる場合とは?

では、退職勧奨がパワハラと判断されるのはどんな場合でしょうか。以下で4つの例を見てみましょう。

 

3−1.本人が拒否しているにもかかわらず執拗に退職を求める場合

退職勧奨を行ったとしても、職員がすぐに退職に応じるケースは少なく、大抵の場合、最初は退職に対して難色を示すことが多いでしょう。そのため、退職勧奨は2回、3回と面談を繰り返して、丁寧に説得を行う必要があります。

もし、一度退職を拒否されたとしても、再度退職について説得を続けること自体は直ちに禁止されるものではありません。しかし、相手が明確に退職を拒否しているのにも関わらず、1回の面談を何時間も続けて行なったり、短期間のうちに何度も面談を繰り返すような行為はパワハラと評価される可能性があります。

過去の裁判例で、3~5カ月の間に11~13回、長い時で2時間15分の退職勧奨を行った事例では、拒否を表明してから極めて多数回、長期にわたって退職勧奨を行っている点に関して、違法と判断されています。(▶参照:下関商業高校事件(最高裁昭和55年7月10日判決)

 

3−2.注意指導の範囲を超えた叱責をする場合

退職勧奨と併せてされる指導で、業務上必要かつ適切な方法で行われるものはパワハラにはあたりません。一方で、指導目的であったとしても、その言動の手段・態様、頻度などを総合的に考慮して、業務の適正な範囲を超えている場合は、パワハラが成立します。

例えば、「はやく辞めてしまえ」「死んでしまえ」「新人でもできる」など、人格否定をするような内容を含む場合や、感情的な発言であることは、パワハラと評価される要素の1つとなります。また、必要以上の大声や罵声、長時間にわたって叱責をするような行為も、パワハラと判断される要因の1つになります。

このような、個人的な嫌悪の感情に基づいた言動や嫌がらせにあたるような言動は、たとえ行為者が指導だと思っていても、客観的に見てパワハラに該当する行為と評価されるため、避けなければいけません。

退職勧奨の一環としてなされる注意指導が上記のような内容である場合には、退職勧奨も違法となることがあります。

 

3−3.退職しない場合の不利益などをことさらに強調する場合

退職に応じない場合の不利益を強調して、退職を強要するような行為もパワハラと判断されることがあります。具体例としては、以下のような行為です。

 

  • 実際には解雇相当ではないのに「退職届を出さないと解雇する」という発言
  • 退職させることを目的として、仕事の取り上げや降格等を行うこと

 

このような行為や発言は、相手が退職を拒否する意志表示をした後にされて、違法とされているケースが多いです。そのため、退職が拒否された後の対応は、退職勧奨前にしっかり検討しておく必要があり、かつ、慎重に行う必要があるのです。

 

3−4.退職勧奨の態様が不相当な場合

退職勧奨の面談の中で、大声で怒鳴る、机等を叩いて相手を威圧する、などといった過度に相手を心理的に圧迫するような行為があった場合は、パワハラとみなされる可能性が高いです。面談の場面以外でも、例えば退職させることを目的として、机を他の従業員から隔離するような行為も、退職を強要する行為としてパワハラとされる可能性があります。

 

4.退職勧奨がパワハラに該当し違法と判断されたらどうなる?

では、退職勧奨がパワハラと判断された場合はどうなるのでしょうか。以下で順に見ていきましょう。

 

4−1.慰謝料請求

退職勧奨がパワハラに該当し違法と判断されると、職員から違法な退職勧奨行為に対する慰謝料を請求される恐れがあります。慰謝料の相場は、その内容や被害の程度等によって異なりますが、20万円~100万円が一般的です。それだけではなく、職員が、仮に違法な退職勧奨により退職をしていた場合、慰謝料請求と併せて、「バックペイ」の支払いを含めた損害賠償請求をされる可能性があり、そうなると損害賠償の額は一気に膨れ上がります。バックペイについては、「4−3.バックペイ」で解説します。

 

4−2.労働者の地位の復活(違法な退職勧奨により退職していた場合)

職員が違法な退職勧奨で退職していた場合、その退職の合意が無効と判断される可能性があります。その場合、退職した職員は労働者としての地位を回復し、復職することとなります。退職勧奨まで行った職員が職場に戻ってくることは、園としても一番避けたい結果であることは明白でしょう。

 

4−3.バックペイ

バックペイとは、労働者が解雇等により労働者としての地位を喪失した後に、裁判所の判決で解雇等が無効とされた場合に、事業者が解雇等の時点に遡って、労働者が解雇等により労働者としての地位を失っていた期間中の給与の支払いを命じられることです。

退職勧奨が違法とされて、退職の合意が無効になった場合、職員は労務を提供できる状況であったにもかかわらず、園側が理由なく労務提供を拒否していたことになるため、園側の賃金の支払い義務は無くなりません。そのため、園は遡って賃金を全額支払わなければならなくなります。

裁判には半年から1年程度の時間がかかります。そのため、職員が退職してから訴訟を起こし、その結果復職したとして、復職までの時間は数カ月~年単位になってしまいます。そうすると、その期間に支払うべきであった賃金は数百万円という金額になってしまい、園側には経済的にも大きな痛手となってしまいます。

 

4−4.退職勧奨がパワハラに該当するとされた事例(裁判例)

それでは、実際に退職勧奨がパワハラに該当するとされた事例を見てみましょう。

 

(1) 全日本空輸解雇事件(大阪高判平成13・3・14)

事件の概要

労災事故に遭い労働能力が低下した労働者に対し退職を迫った会社の行為につき、その態度、繰り返し行われる面談の時間の長さ、右労働者に対する言動が、社会通念上許容しうる限度を超える違法な退職勧奨(強要)として不法行為となるとされた事案です。

 

裁判所の判断

この事例では、労災により休職した客室乗務員の復職について、上司らが約4カ月間にわたり、30数回もの面談を繰り返し、時には8時間もの長時間の面談を行い、その席上、「CAとしての能力がない」「別の道があるだろう」「寄生虫」「他のCAの迷惑」等と述べ、大声をだしたり机を叩いたりしていました。また、対象の客室乗務員が断っているにも関わらず、その居住する寮まで赴いて面談を行ったこともあり、家族にも会って退職の説得を頼んだこと等の対応をしたことが、社会通念上許容しうる限度を超えており、単なる退職勧奨とはいえず、違法な退職強要として不法行為となると判断され、会社に90万円の慰謝料の支払いを命じました。

 

▶参照:「全日本空輸解雇事件」の判決内容

 

 

(2)兵庫県商工連合会事件(神戸地姫路支判平24・10・29)

事件の概要

退職勧奨の対象となった職員が「今後の生活もあるので、退職勧奨には一切応じられない」と拒否の姿勢を明確に示したところ、必要のない転籍や出向を命ぜられ、様々な経済的不利益を被るとともに、侮辱的言動や恣意的な低査定を受けたとして、会社側に損害賠償を求めた事案です。

 

裁判所の判断

「退職勧奨に際して、労働者の自発的な退職意志を形成する本来の目的実現のために社会通念上相当と認められる程度を超えて、当該労働者に対して不当な心理的圧力を加えたり、又は、その名誉感情を不当に害するような言辞を用いることによって、その自由退職意志の形成を妨げることは許され」ないと述べ、退職勧奨の際に「自分で行き先を探してこい。」「管理職の構想から外れている。」「ラーメン屋でもしたらどうや。」など、相手の名誉感情を不当に害するような発言したり、退職を拒否する姿勢を示しているのにもかかわらず、その後も繰り返し退職勧奨を行い侮辱的な発言も繰り返されていることについて、その手段・方法が社会通念上相当と認められる程度を超えた違法なものである判断しています。

また、上記のような態様の退職勧奨と併せて、退職させることを目的に行った転籍命令や出向命令についても、権利の濫用に当たるとして不法行為責任を負うとし、これらの各不法行為による精神的苦痛に対する慰謝料として会社に100万円の支払いを命じました。

 

(3)日立製作所事件(横浜地判例令和2・3・24)

事件の概要

従業員が自主退職を明確に拒否した後にも、部長から執拗に退職勧奨が行われた行為について、違法な退職勧奨及びパワーハラスメントを受けたとして、会社に慰謝料の支払いを求めた事案です。

 

裁判所の判断

この事案では、従業員が退職拒否の意思を明確に示しているのにもかかわらず、約4カ月にわたって計8回の退職勧奨の面談を行い、その中で「課長職がやる仕事をしていない、会議に出る必要がない、他部署は受け入れる可能性は極めて低い」等と発言し、従業員の希望する業務に従事して社内に残るためには他の従業員のポジションを奪う必要があるなど言って、退職以外の選択肢について、いわば八方塞がりの状況にあるかのような印象を抱かせていました。また、業務の水準が劣る旨を指摘し、その発言を繰り返した上、能力がないのに高額の賃金の支払を受けているなどと、従業員の自尊心を傷つけ困惑させる言動をしていました。

これらのことを考慮すると、部長の行った退職勧奨は労働者の意思を不当に抑圧して精神的苦痛を与えるものであるとし、20万円の慰謝料の支払いが命じられました。

 

5.退職勧奨の正しい進め方

退職勧奨がパワハラになる場合があることは、これまでの解説でお分かりいただけたかと思います。パワハラと判断されてしまうような違法な退職勧奨にならないためにも、退職勧奨は、しっかりと準備をした上で、正しい手順で進めていく必要があるのです。

基本的な流れとしては以下の通りです。

 

  • (1) 事前準備(資料収集、園内での方針の共有など)
  • (2) 面談
  • (3) 退職の合意
  • (4) 退職届の提出及び退職合意書の締結
  • (5) 退職の手続き

 

退職勧奨では、対象者に退職について納得してもらい、退職の合意を確実に取り付ける必要があります。そのためには、退職をしてもらう理由となる根拠をきちんと説明できるように、これまでの指導記録などの資料が準備できると良いでしょう。また、面談の回数や時間などにも注意が必要です。相手が退職の拒否を示しているにも関わらず何度も繰り返し面談を行う、数時間に及ぶ面談を行うなどの行為は、パワハラとみなされてしまう可能性があります。相手が明確に退職を拒否した場合には退職勧奨は控え、また、1度の面談は30分~1時間程度でおさめるようにしましょう。

 

▶参考:職員が退職勧奨を拒否して応じない場合の正しい対応方法については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

退職勧奨を断り続けて応じない場合!拒否されたその後の対応方法は?

 

 

6.退職勧奨がパワハラにならないようにするためには事前に弁護士に相談を!

5.退職勧奨の正しい進め方」で退職勧奨の主な手順をご紹介しましたが、これらの手順をきちんと計画立てて準備しつつ、パワハラに該当するような行為や言動に注意しながら進めていくことは、園にとって大きな負担になってしまいます。

弁護士の中には、労働問題に精通した専門家がおり、退職勧奨を実際にサポートした経験のある弁護士もいます。そのような弁護士に相談しながら進めていくことによって、園の負担も軽減することができるでしょう。

以下の記事では、退職勧奨を弁護士に相談した場合のメリットや弁護士の役割、弁護士がサポートした場合の具体的な関わり方や費用の相場について詳しく解説していますので、あわせてご参照下さい。

 

▶参考:退職勧奨は弁護士に相談を!費用やメリット、サポート内容を解説

 

 

7.幼保現場での退職勧奨を弁護士法人かなめの弁護士に相談したい方はこちら

弁護士法人かなめの弁護士に相談したい方はこちら

弁護士法人かなめでは、幼保業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

 

  • (1) 退職勧奨対応サポート
  • (2) 退職勧奨の窓口対応
  • (3) 労働判例研究会
  • (4) 顧問弁護士サービス「かなめねっと」

 

7−1.退職勧奨対応サポート

退職勧奨は、法的に厳しい制約のある解雇と違って、訴訟等のリスクを回避する有用な手段になります。しかし、もちろん退職をする側も不本意ながら退職をすることになりますので、話合いは必ずしもスムーズに進むケースばかりではなく、むしろなかなか退職の合意が得られないことの方が多いでしょう。そのような場合に、パワハラと判断されるような態度や言動、手段で退職勧奨をしてしまうと、後々かえって大きな紛争やトラブルを引き起こしてしまう原因になります。

弁護士法人かなめでは、そのようなトラブルを防ぐために、多角的な視点から退職勧奨を進めるためのアドバイスができますし、退職勧奨を進める事前準備の段階から、退職勧奨後の手続きや万が一のトラブルの対応までトータルにサポートすることができます。

これにより、園の方の負担を軽減し、一番大切な通常業務にできるだけ支障のないように支援することができます。

 

7−2.退職勧奨の窓口対応

退職勧奨は、基本的には、園が主体となって対象職員と交渉を進めていきますが、場合によっては弁護士が早い段階で対象職員の指導や、退職の交渉に介入した方が問題が早く解決することもあります。また、対象職員が交渉の段階で労働組合等に加入し、団体交渉の申し入れがあった場合などには、弁護士が窓口となる方が、日々の業務に対応しやすい場合もあります。

弁護士法人かなめは、退職勧奨の際の窓口や、このような団体交渉への対応経験も豊富であり、窓口対応を任せることで、園運営への支障や交渉の不安を解消することができます。

 

7−3.労働判例研究会

弁護士法人かなめでは、普段の労務管理の参考になる労働判例を取り上げ、わかりやすく解説する労働判例研究会を定期的に開催しています。このゼミでは、参加者の皆様から生の声を聞きながらディスカッションをするため、ただの知識ではない、園に戻ってすぐに使える知識を得ることができます。

 

7−4.顧問弁護士サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、「7−1.退職勧奨対応サポート」「7−2.退職勧奨の窓口対応」、「7−3.労働判例研究会」を含んだ総合的な法的サービスを提供する、顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。
弁護士法人かなめでは、トラブルに迅速に対応するためチャットワークを導入し、園内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

具体的には、弁護士と園の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。いつでもご相談いただける体制を構築しています。

法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、園で発生する様々なトラブルなどに対応しています。直接弁護士に相談できることで、園内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。顧問弁護士サービス「かなめねっと」について詳しくは、以下のサービスページをご覧ください。

 

▶参照:顧問弁護士サービス「かなめねっと」について

 

 

また以下の動画でも詳しく説明をしていますので、併せてご覧下さい。

 

▶︎参考動画:【介護・保育事業の方、必見】チャットで弁護士と繋がろう!!介護保育事業の現場責任者がすぐに弁護士に相談できる「かなめねっと」の紹介動画

 

 

(1)顧問料

●顧問料:月額6万5000円(消費税別)から

※職員従業員の方の人数、園の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせて頂いております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

弁護士法人かなめの「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

8.まとめ

この記事では、退職勧奨がパワハラになりやすい理由や、パワハラとされる場合の具体例を挙げ、退職勧奨が違法とされた場合のリスク、パワハラ的な退職勧奨が違法とされた裁判例をご紹介し、実際に退職勧奨を行う際の注意点について解説しましました。

退職勧奨は、話合いによって退職の合意を得るという任意の手続きであるがゆえに、面談の進め方や伝え方、説得の方法には細心の注意を払う必要があります。話合いが上手く進まないからといって、相手の人格を否定するような言動をしたり、何度も執拗に話合いを繰り返したりしてしまうと、後で思わぬトラブルに発展する恐れがあることは、これまでの解説でお分かりいただけたでしょう。

弁護士法人かなめでは、幼保業界、退職勧奨のいずれにも精通した弁護士が揃っており、きめ細やかなアドバイスや適時のサポートにより、園の皆様の負担を軽減します。問題職員にお困りで、退職勧奨を考えている園の方は、早い段階で専門家である弁護士に相談するようにしましょう。

 

9.【関連情報】退職勧奨に関するその他のお役立ち情報

この記事では、「退職勧奨がパワハラになる場合もある!?注意すべきポイントを解説」として、保育園や幼稚園、認定こども園などの幼保業界の現場で、問題のある職員への退職勧奨時の対応方法の注意点について解説してきました。退職勧奨を正しく進めるにあたっては、この記事で解説してきたこと以外にも重要なポイントが多数あります。以下では、その他のお役立ち情報をご紹介しますので、あわせてご参照ください。

 

退職勧奨は会社都合退職?自己都合退職?離職票の書き方や注意点を解説

 

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この記事を書いた弁護士

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畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
企業側の立場で幼保事業所の労務事件や保護者対応事件を担当した経験から、幼保事業所での現場の悩みにすぐに対応できる幼保事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、幼保業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「幼保事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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