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カスハラ対応を弁護士に相談するメリットとは?役割や選び方、具体例も解説

カスハラ対応を弁護士に相談するメリットとは?役割や選び方、具体例も解説
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「保護者からのカスハラ、なんとか対応してきたけど、もう限界・・・。」

近年、社会問題化している「カスハラ(カスタマーハラスメント)」は、幼保現場でも被害が深刻です。カスハラ行為者の多くは大切な園児の保護者であるため、なんとか自園で対応しようとするものの、対応を誤れば、事態が悪化するばかりか、園の運営や職員の日常業務に支障が出たり、最悪の場合、職員が精神疾患に罹患して離職したりするなど、職員の安全な職場環境がおびやかされるリスクがあります。

エスカレートするカスハラに手の施しようがなく、利用契約の解除に踏み切りたくとも行政には簡単に認めてもらえない、そもそも相談にすらまともに取り合ってもらえないケースもあり、園は八方塞がりの状況に陥りがちです。

そのような時は、ぜひ弁護士に相談してください。追い詰められたまま、自園だけで問題を抱え込む必要はありません。

 

  • 「保護者との問題を弁護士に相談していいの?」
  • 「依頼したところで何をしてもらえるの?」
  • 「費用はどれくらいかかるの?」

 

など、弁護士に相談することに敷居の高さを感じていらっしゃるかもしれません。しかし、法律の専門家である弁護士に相談すれば、きっと解決の糸口が見つかるはずです。

また、カスハラと言えるほど大きなトラブルに発展したことはないものの、

 

  • 「保護者の言動に不安を覚える職員からの相談が相次いでいるけれど、果たして園として適切な対応ができているのだろうか。」
  • 「組織としてカスハラの予防策を講じたり相談窓口を整備したりしたいけれど、何から始めたらよいかわからない。」

 

と日頃から悩んでいる園の方は、一度、弁護士に相談されることをおすすめします。

ただし、弁護士に相談する際には、「弁護士なら誰に相談してもよい」というわけではありません。弁護士にも得意とする専門分野がありますので、これまでクレームやカスハラの対応サポートの経験があまりないような弁護士に相談すると、園にとって満足のいく解決結果にならない可能性が高いです。そのため、幼保現場のことに精通し、さらに保護者からのクレームやカスハラ対応のサポート経験が豊富な弁護士に相談することが重要なポイントになります。

この記事では、カスハラ対応における弁護士の役割や、弁護士に相談・依頼するメリットを説明したうえで、実際に弁護士がどのようにカスハラに対応していくのか、具体的な対応ステップや方法に踏み込んで解説します。また、弁護士費用の目安や弁護士の探し方など、お知りになりたい情報も網羅していますから、この記事を最後まで読んでいただくことで、現在、カスハラ対応に関して弁護士への相談を検討している幼保事業者の方は、自園にあった弁護士に相談ができるようになり、問題解決に向けて動き出すことができるようになります。

カスハラ問題は迷わず弁護士に相談し、大切な職員と園の健全な運営を守っていきましょう。

併せて、弁護士法人かなめが提供するカスハラ対応サポートや、カスハラ対応のための研修サポートについても紹介しています。カスハラを恐れることなく正しく対応できるように組織を強化したい園の皆さんは、ぜひ参考にしてください。

それでは、見ていきましょう。

 

▶参照:弁護士法人かなめのカスハラ対応に関するサポートについては、以下よりご覧ください。

弁護士法人かなめのカスハラ対応に関するサポート内容はこちら

 

 

1.そもそもカスタマーハラスメント(カスハラ)とは?

まず最初に、カスハラの定義について確認しておきましょう。カスハラとは、「カスタマーハラスメント」の略称で、近々施行される労働施策総合推進法(改正)では、以下の3つの要素をすべて満たすものとして定義されています。

 

  • ① 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行う
  • ② 社会通念上許容される範囲を超えた言動により
  • ③ 労働者の就業環境を害すること。

 

▶参照: 厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等一部改正法のポイント」はこちら(pdf)

 

 

また、厚生労働省が令和3年に策定したカスハラ対策のマニュアルでは、具体的なカスハラの判断基準を示し、顧客等からのクレーム・言動のうち、「要求内容の妥当性にかかわらず不相当とされる可能性が高いもの」として、暴行や脅迫、威圧的な態度、土下座の強要などの行為、「要求内容の妥当性に応じて不相当とされる可能性があるもの」として、金銭の要求や商品の交換、土下座を除く謝罪の要求などをカスタマーハラスメントとして列挙していますので、参考にしてください。

 

▶参照:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(pdf)

 

 

また、幼保業界におけるカスハラ事例について知りたい方は、以下の記事で解説していますのであわせてご参照ください。

 

▶参照:カスハラ事例!幼保現場でよくあるカスタマーハラスメントの例を解説

 

 

2.カスハラ対応における弁護士の役割は?

カスハラ対応における弁護士の役割は?

こういったカスハラへの対応に苦慮したり、カスハラに対して組織的に対策を検討したりする時に、弁護士に相談・依頼することが可能です。

それでは、園からの相談・依頼に対して、弁護士はいったいどのような役割を果たすのでしょうか。

カスハラには初期段階から終結に至るまで、常に冷静で慎重な対応が求められます。早い段階のうちに弁護士に相談し適切に対応していくことで、カスハラ被害の拡大を防ぎ、より円滑に解決することができるのです。

弁護士は、通常、以下のような役割を果たして問題を解決へと導きます。

 

  • (1)法的助言と対応策の提案
  • (2)証拠収集や保全への対応
  • (3)カスハラの相手方との交渉
  • (4)カスハラの相手方への法的対応

 

さらに、すでに発生したカスハラ問題の解決だけではなく、将来を見据えて、以下のようなカスハラに対する園の体制強化をサポートする役割もあります。

 

  • (5)組織体制の構築支援
  • (6)職員の相談窓口
  • (7)事業所内でのカスハラ研修

 

弁護士の役割について、一つずつ詳しく解説していきます。

 

2−1.法的助言と対応策の提案

弁護士はカスハラについて相談を受けると、園からはこれまで受けてきた相手方の問題行為を説明してもらい、録音や録画などのデータがあれば一緒に提出してもらいます。そのうえで、まず「相手方からの行為がカスハラに該当するものか、通常の正当なクレームか」や「その行為が法的にどのように問題となるのか」について判断していきます。

次に、問題行為がカスハラに該当すると弁護士が判断した場合、園の意向と現場の状況を踏まえて、具体的な対応策を提案します。対応策の提案にあたって大切なことは、園の意向です。対応の結果、相手方に対してどういった結果を望んでいるのか、どこまでなら妥協できるか等、弁護士とよく話し合い、認識を共有します。

例えば、相手方に警告文を渡すなどしたことでカスハラ行為が止んだとしても、職員が相手方に対し既に大きな恐怖心を抱いていて、通常の業務に支障が出たり、職員に精神的負荷がかかり続けたりすることが予想される場合、退園の勧奨や契約の解除を試みることを前提とした方向に舵を切る必要があります。

そういった事案ごとの事情を考慮して、弁護士は対応策を検討していくことになります。

また、同時に、幼保現場で発生したカスハラ特有の問題として、行政の担当部署との折衝や職員への対応、警察への対応など、各関係先に目を配り調整していかなければならない点があり、弁護士は事案の全体像を把握しながら対応を判断していきます。

 

2−2.証拠収集や保全への対応

弁護士がカスハラ行為に対応する際、その後の対応や交渉をスムーズに進めるため、法的な観点からカスハラ行為の事実について客観的な証拠を収集し保全します。 

カスハラ行為によって園の運営などに支障を来す場合、最終的に何らかの法的措置をとる場合もあります。しかし、相手方が自らの発言を認めないケースも少なくありません。そこで、事実確認ができる客観的な証拠を揃えておくことで、警察に相談する場合や、行政から調査が入った場合、実際に裁判になった場合などにも提示でき、こちらの主張を裏付けることができるのです。

このような証拠収集や保全を念頭に置いて、相手方との対応の際には、複数人で対応すること、相手方の問題言動を必ずメモして記録すること、管理者への報告体制を整備しておくことなど、初動段階から現場レベルでとるべき具体的な対策がいくつもあります。

弁護士から適切な指示を受けながら対応していくことが肝要です。

 

2−3.カスハラの相手方との交渉

弁護士からの助言や提案された対応策に従い、自園自身で相手方に対応し、穏便に解決に至るケースは少なくありません。しかし、悪質な相手方の場合、自園だけで対応しきれないこともあります。そのような時には、弁護士が園の代理人となり、対応窓口として相手方と直接交渉することもあります。

実際の交渉は、相手方と直接面談して対峙するというより、弁護士名義で書面を作成し相手方へ送付するといった書面交渉が中心となります。これは、感情的な対立を避け、双方の主張を整理して明確に伝えることを目的としていますが、もちろん、必要な時には、電話での折衝や直接の面談も実施します。

 

2−4.カスハラの相手方への法的対応

カスハラは、その程度に寄っては、相手方を訴えることも可能です。たとえ相手方が園児の保護者であっても、もはや交渉では問題解決が難しい場合において、最終的な手段として法的対応に踏み切る必要があります。

例えば以下のような場合です。

 

  • 相手方からのカスハラ行為が激化した。
  • 相手方から園の職員が脅され、暴力を振るわれた。
  • 園の業務が妨害された。
  • 園に損害が発生した。
  • SNSに誹謗中傷するような書き込みをされた 。

 

民事事件では、カスハラ行為自体を止めさせるための保全処分、差止訴訟や、カスハラにより園の業務が妨害されたとして損害賠償訴訟を提起するような方法が考えられます。刑事事件では、脅迫罪や強要罪などで警察に被害申告する刑事告訴も手段としてあげられます。

他方で、園側が最終的に利用契約を解除したような場合、保護者側から、解除が無効であることを主張され、損害賠償などを請求されることもあります。

いずれにせよ、法的対応の段階に移り、証拠収集等の準備や訴訟追行が必要となった場合には、法的な判断や実務が不可欠です。自園だけで対応することは困難を極めるでしょう。そこで、法的手続きを弁護士に委任すれば、弁護士は法律の専門家として最適な戦略を立て、訴訟手続きをスムーズに進め、問題解決を図ることができるでしょう。 

なお、上記のように警察に相談を持ち掛けるケースもあるのですが、その前提として、どのようなカスハラが犯罪行為に該当するのかを知っておくことが有用です。以下の動画をお役立てください。

 

▶参照:【警告】そのクレーム、犯罪!カスハラで逮捕される可能性のある行為5選!弁護士が解説

 

 

2−5.組織体制の構築支援

カスハラはいつ、どの園で発生してもおかしくありません。特に幼保の現場では、保護者と接触する機会が多く、カスハラ行為を受けるリスクが非常に高いと言えます。日頃から園全体でカスハラに対応できる組織体制を構築しておくことで、特定の職員だけに負担がかかることを防ぎ、相手方に組織として一貫した対応をとることが可能です。

例えば、次のような取り組みで予防策を講じます。

 

  • カスハラ対応マニュアルを作成し備え置く。
  • 入園時の利用契約書にカスハラ対策に関する条項を盛り込む。
  • カスハラ防止指針を策定し、園のホームページなどに掲示する 。

 

弁護士であれば、これらの取り組みに法的な観点からアドバイスすることが可能です。幼保業界の関係法令上盛り込むべき条項に漏れがないか、トラブルを未然に防ぐための条項は網羅されているか等、あらゆる法的リスクを想定し、策定をサポートすることができるのです。

 

2−6.職員の相談窓口

職員に安全な職場環境を提供できるように、弁護士が職員の相談窓口となることも可能です。

カスハラが発生した場合、カスハラ対応に向けた組織体制の構築だけでなく、内部の職員をサポートする体制を整備する必要があります。職員の中には、責任感などからカスハラ事案を一人で抱え込んでしまったり、管理者の手を煩わせないように現場だけで対応しようとしたりして、結果的にメンタル不調や離職につながることは多々あります。そのため、園としては、職員の誰もがカスハラを相談できる窓口を設置しておくことが大切です。

窓口設置にあたっては、園内で担当者や担当部署を決めて相談の一時対応を行う運用とすることが多いですが、外部の相談窓口として弁護士に対応を依頼することも非常に効果的です。

弁護士であれば、さまざまなカスハラ事例を集積しており、その対応にも精通している場合が多く、タイムリーかつ的確なアドバイスをしていきます。職員は弁護士に相談することで大きな安心感が得られるほか、様々な内部事情から外部の人間である弁護士だからこそ相談しやすいといったメリットも生まれます。

何より、カスハラを理由として、利用契約の解除や法的措置まで検討する場合には、前述のとおり、多くの証拠を収集する必要がありますから、問題の初期段階で現場から相談を受けることができれば、弁護士はより早期にカスハラを発見でき、迅速かつ適切に対応にあたることができるようになります。

なお、カスハラ対応における職員の相談窓口の設置の必要性とポイントの以下の動画をお役立てください。

 

▶参照:カスハラ対応における社内相談窓口の設置の必要性とポイントについて

 

 

2−7.園内でのカスハラ研修

カスハラに適切に対応し被害を最小化するため、カスハラ研修を園内で実施し、職員一人一人に正しい知識や対応方法を習得してもらうことは非常に重要です。

幼保の現場では、保護者との関係性が密接であるため、カスハラか正当なクレームかどうかの明瞭な線引きや、粘着質で長期化しやすいカスハラへの毅然とした対応が必要となります。

弁護士が講師となってカスハラ研修を実施すれば、法的な根拠を抑えたうえで、相手方への応答方法や記録の取り方など、法的措置を見据えた具体的な対応手順を習得することができるでしょう。

幼保現場におけるカスハラ研修については、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご参照ください。

 

▶参照:カスハラ研修とは?必要性や効果、学ぶ内容、活用方法を事例付きで解説

 

 

3.カスハラ対応の相談を弁護士にするメリットとは?

カスハラ対応の相談を弁護士にするメリットとは?

以上のように、カスハラ対応において弁護士が果たす役割は多岐にわたります。それほど、カスハラ対応は一筋縄で解決するものではなく、慎重に計画的な対応が必要になることがおわかりになると思います。

実際に、弁護士に相談することで、次のようなメリットを期待できるはずです。

 

  • (1)カスハラに対する専門的な知識や経験がある。
  • (2)専門的な知識や経験を基にした適切な対応を提案してもらえる。
  • (3)証拠の収集や保全方法を指示してもらえる。
  • (4)職員の精神的負担を軽減することができる。
  • (5)速やかに法的措置を実行できる。
  • (6)事業所を組織として強くできる。

 

それでは、それぞれのメリットについて、詳しく説明していきます。

 

3−1.カスハラに対する専門的な知識や経験がある

弁護士は、問題行為がカスハラと認定できる要件を満たしているかを判断し、正当なクレームか不当なクレームかを明確に区別することができます。さらに、カスハラに関連する、民法、刑法などの多岐にわたる法令に基づき、カスハラ行為の違法性やその程度を専門的な知識と経験から判断することが可能です。今回のカスハラ行為がどの法令に抵触するか正確に判断できます。

また、特に幼保業界でのカスハラ事案の対応経験が豊富な弁護士であれば、その経験を通じ、紛争の長期化を避けるための落としどころを見極め、園が希望する方向での解決を図ることができます。

 

3−2.専門的な知識や経験を基にした適切な対応を提案してもらえる

弁護士は職業柄、法律に基づいて客観的に事案を分析していく能力に長けています。そのため、問題行為がカスハラであるか否かについて、事実を一つ一つ整理し、判断基準に従って冷静に行っていくほか、問題行為がカスハラと認定できる場合には、その相手方の行為が法的問題(不法行為、脅迫、暴行、名誉毀損、業務妨害など)に当たるかを正確に判断することが可能です。

また、園が不適切な対応をして法的な問題を生じさせ、相手方から付け入る隙を与えないように職員が相手方へ対応する際の注意点を伝えたり、園が労務面での訴訟リスクを抱えないように職員へのサポート体制を整備したりして、あらゆる側面において法的なリスクを最小限にできる対応を提案することができます。

 

3−3.証拠の収集や保全方法を指示してもらえる

カスハラ行為の事実を証明できる証拠を収集する手段は様々ですが、具体的には、以下のようなものを証拠として収集することになります。

 

  • 相手方と面談や電話をした際の録音データ
  • 防犯カメラ映像
  • カスハラ行為を受けた職員の報告書
  • 相手方からの連絡帳、手紙などでの要求
  • 相手方からのメール、SNS、連絡アプリでの書き込みのスクリーンショット

 

これらを実際に収集することは一見難しくないように思われます。しかし、法的に問題なく、安全に収集し、証拠としての価値を最大限に高めるためには、抑えるべきポイントや注意点があり、単に収集するだけでは不十分な場合も多いのです。また、収集した証拠が消えてしまう前に、録音や映像データは有効期間内に保存するなど、証拠の保全にも気を付ける必要があります。

弁護士はそれらを熟知していますから、弁護士に相談することで、法的な観点から的確な指示やサポートを受けることができるでしょう。

 

3−4.職員の精神的負担を軽減することができる

弁護士が介入することで、それまで相手方に直接対応してきた担当職員の精神的負担を大幅に軽減できます。弁護士から法的助言や対応策の提案などの後方支援を受けることで、問題解決が早まるだけではなく、職員も安心して日常の業務にあたることができるようになります。

例えば、現場の職員が、日常の園児の送迎時などに相手方と遭遇し、抗議を受けることがあっても、「弁護士に相談し、園としての対応に問題はないと聞いています」と毅然と応答できたり、弁護士が園の代理人として相手方との交渉窓口になっている場合には「そちらの件については弁護士に一任しています」として直接交渉を避けたりすることができます。

幼保の現場では、問題が発生した後も、相手方の子供である園児の登園は現実に継続していくため、このように職員が安心して就労できる環境を整えることは非常に重要です。

また、弁護士がカスハラ対応や組織体制の構築に関わることで、「園は職員を守ろうとしている」というメッセージを示すことができ、職員のメンタル不調を予防・改善することにも効果を発揮します。

 

3−5.速やかに法的措置を実行できる

カスハラの相手方に対し、最終的に法的措置に踏み切らざるを得ない場合があります。民事的な対応では、カスハラ行為を理由として園から保護者に対し退園を勧告し利用契約を解除したり、程度によってはカスハラによる損害の発生などについて訴訟を提起したりすることがあります。また、刑事事件としては、警察に刑事告訴等をする場合もあります。

いずれの場合においても、カスハラ行為の事実について、客観的な証拠の収集が最も重要です。相手方に対して証拠が揃っていることを示すことで契約解除の正当性を主張できますし、カスハラ行為の状況がいかに酷いものであったかが分かるような証拠を用意すれば警察に捜査をスムーズに進めてもらうことができます。

その点、弁護士に早期の段階から相談しておけば、弁護士が将来的な法的措置を念頭に置いて、カスハラ行為の客観的な証拠を入念に準備しておいたり、事案進行に有利になるような交渉のステップをあらかじめ踏んでおいたりすることができるため、いざ、法的措置に踏み切ろうと舵を切る際には、速やかに実行に移すことが可能となります。

なお、モンスターペアレント・カスタマーハラスメントを理由に保育契約を解除できるか、という点については、こちらの動画でも詳しく解説しておりますので、是非お役立てください。

 

▶参照:モンスターペアレント・カスハラ対応!具体的な事例をもとに対応方法を解説【幼保事業者は必見です】

 

 

3−6.園を組織として強くできる

カスハラ対応をきっかけに、弁護士が組織体制の構築をサポートしたり、職員の相談窓口となり園の組織づくりにまで携わることになれば、園を組織として強化することが可能になります。また、弁護士の法的根拠に基づく研修を受講することで、職員一人一人にカスハラに関する正しい知識や対応方法が身に付き、精神的な安定を保つことができます。

さらに、こういった様々な取り組みを通じて、「カスハラは組織一丸となって解決しなければならない問題」であることを職員に強く意識付けることができれば、カスハラを認めない毅然とした態度が園全体に広がり、自園オリジナルのカスハラ対応マニュアルを職員が自分たちで話し合いながら整備し、運用していくような内発的な組織運営ができるようになります。

また、外部に向けては、園のホームページ等で、弁護士へのカスハラの相談窓口を設置していることを公開しておけば、園として、カスハラに対する毅然とした態度を示すことにもなり、間接的にカスハラを防止する事にもつながりますし、職員の採用活動時に園の強みとしてアピールすることも可能です。

 

4.弁護士への相談を検討するタイミングは?

カスハラ対応を弁護士に依頼するメリットを最大限に活かすためには、弁護士へできるだけ早く相談することが大切です。特に、以下のような場合に当てはまるのであれば、ためらわずに弁護士へ相談しましょう。

 

4−1.カスハラ被害が深刻で、自園だけでは対応が難しい場合

相手方に説明やお願いを繰り返し続けてきたものの、一向に状況の改善が見られず解決の糸口が見つからない場合や、行政に通報したり、他の保護者を仲間にしたり、SNSにアップしたりして他者を巻き込む言動をするなど、事態の収拾が難しい場合です。

 

4−2.カスハラの対応に不安を感じる場合

園側に落ち度があったことがきっかけでカスハラに至ることもあります。そうすると、相手方はその落ち度を突いて不当で過剰な要求をしますから、園としては相手方の要求にどう対応すればいいか非常に苦慮します。また、当初は園側に落ち度がなかったものの、初動対応で園がミスをしてしまいカスハラがエスカレートして収束できず、現状の対応のままでいいのか迷うこともあるでしょう。

少しでも対応に不安を感じる場合は、弁護士へ相談した方がいいでしょう。

 

4−3.職員のメンタルヘルスが心配な場合

対応にあたった職員が体調不良を訴えてお休みしたり、実際にうつ病や適応障害などと診断され休職を願い出てきたりするなど、職員の精神的な健康に大きな影響が出ている場合です。職員の表情が暗く笑顔が減ったり、集中力の低下や食欲の不振が見られたりするなど、メンタル不調の初期のサインを感じる場合も含まれます。

 

4−4.法的措置が必要になる可能性がある場合

差止訴訟や損害賠償請求訴訟、刑事告訴などの法的措置を取りたいと考えている場合や、園児の利用契約の解除を検討している場合です。

 

5.カスハラ発生時の弁護士の関わり方を具体例をもとに解説

この項目では、カスハラ対応を弁護士に相談した場合の関わり方を、実際の事例を紹介しつつ解説します。

 

5−1.設定

 

・法人Aは認定こども園Bを運営しており、数か月前に法律事務所Kと顧問契約を締結している。

・認定こども園Bに3歳児の子どもを通園させている保護者Cは、入園当初から、「うちの子は体が弱いから、1人の先生が付きっきりで目を離さないでほしい」などと要求し、担任Dや園長Eが、対応が難しい旨を説明しても、「理由がわからない」「うちの子が怪我をしたら責任を取れるのか」などと納得せず、送迎時に1時間近く職員を留め置いて要求をし続けたり、こども園Bに電話を繰り返しかけたりするなどの問題行動を繰り返した。

・職員らは問題行動の対応に疲弊し、体調不良を来たす職員や、保護者Cとの対応に強い拒否感を示す職員も現れるようになり、園長Eへの相談も増えてきた。そこで、園長Eはこども園Bを運営する法人Aの理事長と話し合い、法律事務所Kに保護者Cへの対応について相談することにした。

 

 

5−2.第一報を受けた初動の指示

園長Eから相談を受けた法律事務所Kの弁護士Hは、すぐに日程調整を行い、打ち合わせを実施した。弁護士Hは園長Eから、これまでの保護者Cによる問題行動の具体的な内容や、関わっている職員の現在の様子などを詳しく聞き取ったうえ、保護者Cの言動がカスハラに該当すると判断した。さらに、弁護士Hは保護者Cの子の通園履歴や家族構成などに加え、各職員の能力や人柄、園内部での職員同士の関係性についても情報を聞き取り、複合的に状況把握を行った。

次に、弁護士Hは、今後の問題解決に向けた道筋を立てるため、これまでの保護者Cのカスハラ行為を証拠として収集する方法を伝え、被害を受けた職員から具体的な状況を聞き取るように指示した。

 

5−3.調査、証拠収集を踏まえた基本方針の策定

園長Eは早速、保育日誌や連絡帳、お便り、防犯カメラ映像等の証拠を収集し、関係職員からのヒアリング調査結果を弁護士Hへ提出した。

弁護士Hはそれらを丁寧に確認し、保護者Cに対しては、不当な要求に応じられない旨を明確に拒否し、問題行為が続く場合には保育の継続ができなくなることを書面で示すことを提案した。続けて、これまでの具体的な問題行為を列挙したうえで、あくまで作成名義は法人Aとする形をとった通知書面を起案し、園長Eから保護者Cへ通知書面を手渡しするよう指示した。

同時に、この通知書面に基づき、現場の職員には保護者Cの不当な要求を明確に拒絶する態度を徹底してもらうよう園長Eに指示し、再度、不当な要求を含むカスハラ行為を受けた場合には、それらの行為を証拠として保全する方法(メモ、録音等)を伝えた。また、証拠を正確に保全するためだけではなく、職員の精神的負担を軽減させるため、複数人で対応することや問題行為を受けた際の報告体制を整備することも指示した。

 

5−4.状況の確認

園長Eは無事に保護者Cへ通知書面を渡すことができたものの、保護者Cは態度を改めず自分の主張を正当化し、繰り返し園に電話を架けてきたり職員を留め置いて長時間話をしたりしてカスハラ行為を止めることはなかった。

そこで、弁護士Hは法人A及び園長Eと協議のうえ、退園に向けた動きへシフトすることを決め、「利用契約書の解除事由」に基づいた「解除通知書」を作成のうえ、保護者Cとの退園に向けた面談を設定するように指示した。あわせて、面談により保護者Cと退園に合意できた場合に備え、「退園の合意書案」を作成し準備した。

 

5−5.保護者Cとの面談

保護者Cと面談を実施することに園長E自身も精神的負担を感じており、面談に弁護士の立会いを望んだが、弁護士Hは立ち会うべきではないと判断し、園長Eと主任クラス以上の職員を同席させるよう指示した。

もし弁護士が立会いをすれば、保護者Cは「弁護士まで連れてきて事を荒立てられた」、「話し合う気持ちがあるのに弁護士が出てくるなんて戦闘的な姿勢をとられている」と逆上し、かえって問題解決が遠のく可能性があるからである。

弁護士Hは、面談に立ち会うことはなくとも、退園の合意に向けた事前準備を入念にサポートした。面談で保護者Cから聞かれそうな質問や展開されそうな主張に対し、園側がスムーズに回答できるように想定問答集を作成し、シミュレーションしておくように指示したのだ。

実際の面談では園長Eも緊張したものの、やり取りは想定通りに進んだ。保護者Cから質問や主張をされても園側は一貫した姿勢で論理的な回答をしたため、保護者Cはそれ以上抵抗することができず、最終的に退園に合意した。

 

5−6.再発防止策の検討

保護者Cとの問題については無事に解決に至ったものの、昨今保護者の権利意識が高まっており、要求も強まっていることを実感しており、こども園Bでは今後も同じような問題が発生する可能性は十分に考えられた。そこで、弁護士Hはカスハラに対するしっかりとした組織体制をあらためて構築することを提案し、法人Aはそれらに着手することを決めた。

具体的には、利用契約書の解除に関する文言を見直したり、「カスハラに対する行動指針」の策定や現場職員に向けたカスハラ研修の実施等を検討した。保護者Cのカスハラ問題を教訓に、組織的にカスハラを予防し、職員を守る環境を整えていくことができたのである。

 

【弁護士畑山浩俊のワンポイントアドバイス】

 

こども園Bの問題解決までの道のりはあくまで一例です。

 

実際にカスハラ事案が発生した際は、事案ごとに、カスハラ行為の程度や園の置かれた状況等を考慮して対応方針を検討する必要があります。

 

自園だけで、園の正常な運営と職場環境を守りながら相手方に対応し、理想とする最終ゴールに到達することは容易ではありません。さらには再発防止策の実施やアップデート等も進めていくとなると、弁護士のサポートが欠かせませんから、ぜひ一度、弁護士に相談してみましょう。

 

▶参照:弁護士法人かなめのカスハラ対応に関するサポート内容はこちら

 

 

6.カスハラ対応を弁護士に依頼する際に必要な費用

弁護士に依頼する際、どうしても気になることの一つが弁護士費用ではないでしょうか。カスハラ対応における一般的な弁護士費用と、弁護士法人かなめの弁護士費用を解説します。

 

6−1.カスハラ対応を依頼する際の弁護士の費用

弁護士へ相談や依頼をした場合に、支払う費用としては、以下のような費用があります。

 

  • (1)相談料
  • (2)着手金
  • (3)報酬金
  • (4)手数料

 

以下で、詳しく説明します。

 

(1)相談料

弁護士に法律相談をした際にお支払いいただく費用で、基本的にはスポットでの相談が対象となります。

一般的な相場は、30分5,000円(消費税別)、1時間1万円(消費税別)程度で、初回のみ無料としている事務所もあります。

 

(2)着手金

一般的に、弁護士に事件として依頼することになった段階でお支払いいただく費用です。事件の結果に関係なく、不成功に終わったとしても基本的に返還されません。

カスハラ対応の場合、弁護士が相手方との直接的な窓口となって示談折衝を行ったり、訴訟に移行して依頼者の代理人となったりする場合にお支払いただきます。

金額は、事案の緊急性や複雑さ、必要とされる労力などに左右され、法的措置を取る場合には、当方からの請求金額や請求内容、手続方法で決まり、請求金額など、この紛争が解決した場合に得られる利益を金銭的に評価することによって算定される「経済的利益」の額に従って、以下のような基準をもとに計算がされることが一般的です。

 

経済的利益の額 着手金
300万円以下の場合 経済的利益の8%
300万円を超え3000万円以下の場合 同5% + 9万円
3000万円を超え3億円以下の場合 同3% + 69万円
3億円を超える場合 同2% + 369万円

 

 

(3)報酬金

一般的に、弁護士が事件に対応した結果、その得られた成果の程度に応じてお支払いいただく費用で、不成功に終わった場合は支払う必要はありません。

金額は着手金と同様に事案の性質によって異なり、弁護士が業務を行ったことによって得られた経済的利益から算定され、相場としては経済的利益の10%~30%となります。

以下のような計算をされることが一般的です。

 

経済的利益の額 成功報酬金
300万円以下の場合 経済的利益の16%
300万円を超え3000万円以下の場合 同10% + 18万円
3000万円を超え3億円以下の場合 同6% + 138万円
3億円を超える場合 同4% + 738万円

 

 

カスハラ対応の場合、カスハラ行為を止めさせたり、転園してもらうことに成功したりといった成果を金銭的に計ることが難しい場合が多いため、あらかじめ委任契約書で報酬金額の取り決めをしておくこともあります。

なお、着手金や報酬金といった形をとらずに、あらかじめ事件に対応する期間を数か月単位で定めたうえで、時間制報酬(タイムチャージ方式)として「弁護士が事件処理に費やした時間」×「弁護士の時間単価」を乗じて計算した金額をお支払いただく方法をとる場合もあります。

 

(4)手数料

一般的に、手数料は、当事者間に実質的に争いのない事案での事務的な手続きを依頼する場合にお支払いいただきます。具体的には、書類(契約書、遺言書など)作成、会社設立、登記等があります。

カスハラ対応の場合、弁護士が相手方と直接交渉することはせず、具体例として挙げたこども園Bの事案のように、相手方への通知文書の作成やカスハラ対応をサポートするような場合には、「手数料」という形で費用をお支払いいただく場合もあります。

後方からのサポートだけでは問題が解決せず、弁護士が直接交渉することになったり法的措置に移行し手続きを代理で行ったりすることになれば、別途協議のうえ、改めて着手金をいただくことになります。

 

(5)顧問契約の場合

すでに顧問契約を締結している弁護士がいる場合、相談や簡易的な文書作成のサポートであれば、顧問契約の範囲内の業務として扱われる場合があります。その場合、顧問料と別に費用を支払う必要はありません。

但し、顧問契約の範囲外に業務に及ぶ場合は、別途協議のうえ、前述した着手金や報酬金、手数料を求められるでしょう。

 

6−2.弁護士法人かなめでのカスハラ対応に関する費用の例

弁護士法人かなめでは、カスハラ対応にあたって必要となり得る業務を洗い出し、それぞれのサポート内容を説明、ご相談の上、事案に応じて、個別具体的に費用のご提案をさせていただきます。

例えば、カスハラ対応においては、以下のような業務ごとに費用のご提案をさせていただいております。

 

・カスハラを行う保護者への対応サポート

→カスハラを行う保護者への対応について、弁護士が窓口となる場合と後方支援を行う場合とでそれぞれ費用をご提案します。

 

・指摘内容に関する実態調査サポート

→保護者からの主張として、不適切保育等の指摘がされている場合には、ヒアリング等を含めた実態調査を実施するため、ヒアリング人数や調査内容に応じた費用をご提案します。

 

・保護者への個別説明、保護者説明会等のサポート

→カスハラのきっかけとなった指摘事項の内容により、園として、他の保護者らに対しての何らかの説明が必要な場合、そのサポートをする際の費用をご提案します。

 

・行政対応サポート

→保護者が行政へ通報するなどした結果、行政からの指摘や監査などの対応が発生する場合がありますので、当該対応をする場合の費用をご提案します。

 

・マスコミ対応サポート

→保護者がマスコミへ垂れ込むなどした結果、マスコミからの取材依頼や、園への突然の来訪、保護者への突撃取材などが行われる場合がありますので、その際の窓口対応をさせていただく場合の費用をご提案します。

 

 

なお、費用に関しては、非常に個別具体性が高く、また、顧問契約の有無等によっても変動します。

保護者からのカスハラ対応にお悩みの方は、まずは弁護士法人かなめにお問い合わせください。

 

▶参考:弁護士法人かなめのカスハラ対応に関するサポート内容はこちら

 

 

7.カスハラに強い弁護士の探し方と選び方

カスハラ対応を弁護士に依頼する場合、どのように弁護士を探せば良いのでしょうか。カスハラに強い弁護士の探し方と選び方について解説します。

 

7−1.カスハラに強い弁護士の探し方について

カスハラに強い弁護士の探し方について、ここでは以下の3つの方法について解説します。

 

  • (1)顧問弁護士への相談
  • (2)インターネット検索
  • (3)口コミ

 

それぞれの方法について解説していきます。

(1)顧問弁護士への相談

すでに顧問契約を締結している弁護士がいる場合は、まずは顧問弁護士に相談します。顧問弁護士であれば園の内情も把握していますし、カスハラにも詳しいと考えられますので、迅速に対応してもらうことができるでしょう。

 

(2)インターネット検索

弁護士を探す上で一番簡便な方法は、インターネットで検索することです。「カスハラ 弁護士」等のキーワードでインターネット検索すると、カスハラ問題についての記事を載せている法律事務所のホームページをたくさん見つけることができます。それらの記事を読んで、カスハラ対応に具体性があるような法律事務所を選んで相談してみることをおすすめします。

また、インターネットで検索するとヒットする法律事務所が全国規模となりますが、たとえ相談してみたいと思う法律事務所の所在が自園の近隣ではなかったとしても、オンラインで相談を受け付けている事務所もありますからあわせて確認してみましょう。

 

(3)口コミ

アナログな方法ではありますが、より信頼に足る弁護士の探し方は、口コミです。

普段から協会や連合会などで繋がりがある同業者の方に、「カスハラに強い弁護士を知らないか」と聞いてみるのが良いでしょう。弁護士に依頼をした経験のある園、あるいは顧問弁護士と契約している園の方がいれば、実際の弁護士対応や費用感等も聞くことができるため、弁護士を選ぶ際の判断がしやすく、信頼できる弁護士に繋がりやすいと考えられます。

 

7−2.カスハラに強い弁護士を選ぶ際のポイントについて

カスハラに強い弁護士を選ぶ際のポイントについて

顧問弁護士や口コミの良い弁護士に相談してみたものの解決の糸口が見えない、インターネットで検索したものの弁護士サイトがたくさんありすぎて絞ることができない等、カスハラに最適な弁護士を探し出すことは至難の業です。そこで、カスハラに強い弁護士を選ぶ際のポイントとして、以下の3つをお伝えします。

 

  • (1)カスハラ対応に精通しているか。(カスハラ対応の経験があるか)
  • (2)企業法務や労働問題に精通しているか。
  • (3)幼保業界に精通しているか。

 

それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。

 

(1)カスハラ対応に精通しているか。(カスハラ対応の経験があるか)

法律事務所のホームページには「取扱い分野」や「実績」などが掲載されています。これらを調べてみると、どのような分野を専門としているのか、どのような紛争解決の実績があるか、カスハラ対応の経験があるか等が分かりますので、実績豊富な法律事務所を選ぶようにしましょう。

中にはカスハラ対応専門サイトを立ち上げている法律事務所もありますし、一見するとホームページに似たような記事を掲載した法律事務所がたくさんありますが、掲載内容により具体性があるか、経験を踏まえているかといった視点で読んでみると、自ずと絞られていくかもしれません。

 

(2)企業法務や労働問題に精通しているか。

カスハラ対応で切っても切り離せないのは園内部の労働問題です。カスハラによる精神的負荷により職員がメンタルヘルスの不調に陥ったり、最悪の場合では休職や退職に追い込まれたりすれば、園としては貴重な人材を失うだけではなく、使用者として安全配慮義務違反を問われる可能性があります。

また、カスハラ対策の強化を図る場合には、対応マニュアルの策定や職員の研修、内部通報制度の整備等、組織的な予防体制を構築するうえで、企業法務の知識と経験が必要とされます。

ホームページ上に「企業法務」「顧問弁護士」「労働問題」といったキーワードが記載されていればそれらの分野に強い法律事務所だと考えてよいでしょう。

 

(3)幼保業界に精通しているか。

業界ごとに関係する法令等も異なりますが、中でも幼保業界は施設類型が幼稚園、保育所、認定こども園に分かれたうえ、それぞれ根拠法や所轄官庁も異なるため、各法令の理解や担当行政庁との連携は欠かせません。

特に、保育所や認定こども園等の特定・保育施設は、子ども・子育て支援法による縛りを受けており、保護者がカスハラをしているからといって、園児である子を退園させることは容易ではありません。

同法では、「特定教育・保育施設の設置者は、教育・保育給付認定保護者から利用の申込みを受けたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。」として、いわゆる応諾義務を規定していることから、「正当な理由」がある場合を除き、利用を拒否することができないとされているからです。

保護者のカスハラ行為を「正当な理由」として退園させる場合、カスハラ行為の事実について客観的な証拠を収集し、保護者に通告することと並行して行政にあらかじめ連絡しておくなどの準備が必要となります。

こういった幼保業界の事情に詳しい弁護士は少なく、幼保業界に精通している法律事務所は限られてきます。さらに、幼保業界に詳しい法律事務所であれば、関連法令だけでなく、幼保事業の運営実態や業務内容を理解しており、カスハラへの効果的な組織体制や、利用解除(退園)時における適切な対応方法を提案することが可能です。業界の内情を分かったうえで、園側の要求に沿った対応をしてもらえることは大きなメリットですので、ホームページ上でその点も確認すると良いでしょう。

 

8.カスハラ対応に実績ある幼保業界に精通した弁護士法人かなめの弁護士に相談したい方はこちら

弁護士法人かなめの弁護士に相談したい方はこちら

弁護士法人かなめでは、幼保業界に精通した弁護士が、以下のようなサポートを行っています。

  • (1)カスタマーハラスメントに対する後方支援
  • (2)カスタマーハラスメントへの対応窓口
  • (3)研修講師サポート
  • (4)幼保事業者の法務面を総合的にサポートする顧問弁護士サービス「かなめねっと」

 

以下で、順番に説明します。

 

8−1.カスタマーハラスメントに対する後方支援

カスハラへの対応は初動が肝心です。初動を誤ることで、園児や保護者からの信頼を失ってしまうケースもあれば、カスハラの態様をより激化させることもあり、解決が困難となるケースもあります。

最も重要なことは、「ややこしくなってきたから」相談するのではなく、「おや、何か変だぞ?」というタイミングで専門家の意見を仰ぐことです。

そして、相談、回答、実践、反省、というサイクルを回していくことで、園自体にもカスハラ対応への経験やノウハウが蓄積され、組織として成長することができます。

弁護士法人かなめでは、カスハラ対応の初期段階から、現場の責任者から相談を受け、初動からきめ細やかな後方支援を行うことで、円滑なクレーム対応を実現します。

 

8−2.カスタマーハラスメントの対応窓口

しっかりとカスハラ対策の方針を立て、これに則って対応をしても、どうしてもハラスメントがおさまらない場合や、職員が既に疲弊しており、すぐにでも対応窓口を変えたいという場合もあります。

弁護士法人かなめでは、園では対応しきれないカスハラ対応の窓口となり、交渉等を行います。カスハラの対応を専門家に任せることによって、職員のストレスが軽減し、本来の業務に専念することができます。

 

8−3.研修講師サポート

弁護士法人かなめでは、カスハラについてその実態、原因から対処方法、予防策まで、園がカスハラに対応していくために必要な知識を身に付けられる「かなめ研修講師サービス」を実施しています。

保育に関する様々な専門的研修とは異なるカスハラに特化したテーマについて定期的な研修を実施することにより、職員1人1人のカスハラ対応への意識を高め、冷静で適切な対応をとることが可能となります。

実際には、以下のようなテーマで研修を実施しています。

 

  • モンスターペアレントの見分け方
  • モンスターペアレント問題が起きる原因
  • モンスターペアレントの具体的な事例
  • モンスターペアレントへの正しい対処方法

※モンスターペアレント対応のテーマとなっていますが、研修内容は保護者からのカスハラ対応と考えていただいてかまいません。

 

 

カスハラ対応に関する研修については、詳しくは以下のページをご覧いただき、お問い合わせください。

 

▶参照:幼保特化型弁護士による「かなめ研修講師サービス」はこちら

 

 

8−4.幼保事業者の法務面を総合的にサポートする顧問弁護士サービス「かなめねっと」

弁護士法人かなめでは、「(1)カスタマーハラスメントに対する後方支援」をはじめとする、幼保現場の法務面を総合的にサポートする顧問弁護士サービス「かなめねっと」を運営しています。

具体的には、トラブルに迅速に対応するため「Chatwork(チャットワーク)」を導入し、園内で何か問題が発生した場合には、速やかに弁護士へ相談できる関係性を構築しています。

そして、弁護士と園の関係者様でチャットグループを作り、日々の悩み事を、法的問題かどうかを選択せずにまずはご相談頂き、これにより迅速な対応が可能となっています。直接弁護士に相談できることで、園内での業務効率が上がり、情報共有にも役立っています。

 

▶参照:幼保現場の法務面を総合的にサポートする顧問弁護士サービス「かなめねっと」については以下をご参照ください。

顧問弁護士サービス「かなめねっと」について

 

 

8−5.弁護士費用

 

(1)顧問料

  • 顧問料:月額6万5000円(消費税別)から

※職員の方の人数、園の数、業務量により顧問料の金額は要相談とさせていただいております。詳しくは、お問合せフォームまたはお電話からお問い合わせください。

 

「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

また、顧問契約をする前に、まずは法律相談をご希望される場合、相談料は以下のとおりです。

 

(2)法律相談料

  • 1回目:1万円(消費税別)/1時間
  • 2回目以降:2万円(消費税別)/1時間

 

※相談時間が1時間に満たない場合でも、1時間分の相談料を頂きます。
※スポットでの法律相談は、原則として3回までとさせていただいております。
※法律相談は、「1.弁護士法人かなめにご来所頂いてのご相談」、又は、「2.Zoom面談によるご相談」に限らせていただき、お電話でのご相談はお請けしておりませんので、予めご了承ください。

 

「お問い合わせフォーム」はこちら

 

 

9.まとめ

この記事では、カスハラ対応における弁護士の役割やメリット、カスハラ発生時の弁護士の関わり方について解説し、弁護士へ依頼した場合の費用やカスハラに強い弁護士の探し方についてもお伝えしました。

カスハラ発生時の弁護士の関わり方については、弁護士が実際にどのようにカスハラ対応にあたって解決へと導くのか、事例をもとにリアリティを感じながら読んでいただけたかと思います。

ここに紹介した事例以外にも、カスハラには様々な種類・程度があり、対応に悩まれている園の関係者は非常に多くいます。強い責任感からどうにか自園で解決しようとして、担当職員だけでなく管理者までも精神的負担を感じ心身に不調を来すこともありますから、自園での解決が難しいと少しでも感じたら、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

幼保業界に特化した弁護士法人かなめでは、数々のカスハラに関するご相談に対応してきた実績があります。迅速で的確なアドバイスをするだけでなく、場合によっては対応窓口を代行することも可能です。また、カスハラに正しく対応できるような研修の実施や、対応マニュアルの作成サポートも行っています。カスハラへの対応にお困りの園の皆さん、将来的なリスクを考えて対策を検討したい園の皆さんは、ぜひこの記事をご覧いただき、弁護士法人かなめにご相談ください。

さらに、弁護士法人かなめでは、チャットを使用して、日々の悩み事をいつでもご相談いただける顧問弁護士サービス「かなめねっと」を提供しています。法律家の視点から利用者様とのトラブルをはじめ、事業所で発生する様々なトラブルなどに対応する体制を構築し、幼保業界に精通した弁護士が対応にあたります。「かなめねっと」に興味を持たれた方は、まずはお問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。

 

 

「弁護士法人かなめ」のお問い合わせ方法

モンスターペアレント対応、児童保護者との契約に関するトラブル、保育事故、債権回収、労働問題、感染症対応、不適切保育などの不祥事対応、行政対応 etc....幼保現場で起こる様々なトラブルや悩みについて、専門の弁護士チームへの法律相談は、下記から気軽にお問い合わせください。
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弁護士法人かなめが運営する顧問弁護士サービス「かなめねっと」では、日々サポートをさせて頂いている幼保事業者様から多様かつ豊富な相談が寄せられています。弁護士法人かなめでは、ここで培った経験とノウハウをもとに、「幼保業界に特化した経営や現場で使える法律セミナー」を開催しています。セミナーの講師は、「かなめ幼保研究所」の記事の著者で「幼保業界に特化した弁護士」が担当。

保育園・幼稚園・認定こども園などの経営や現場の実戦で活用できるテーマ(「労働問題・労務管理」「クレーム対応」「債権回収」「児童保護者との契約関連」「保育事故」「感染症対応」「不適切保育などの不祥事対応」「行政対応関連」など)を中心としたセミナーです。

弁護士法人かなめでは、「幼保業界に特化した弁護士」の集団として、幼保業界に関するトラブルの解決を幼保事業者様の立場から全力で取り組んで参りました。法律セミナーでは、実際に幼保業界に特化した弁護士にしか話せない、経営や現場で役立つ「生の情報」をお届けしますので、是非、最新のセミナー開催情報をチェックしていただき、お気軽にご参加ください。

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幼保特化型弁護士による研修講師サービスのご案内

幼保特化型弁護士による「かなめ研修講師サービス」 幼保特化型弁護士による「かなめ研修講師サービス」

弁護士法人かなめが運営している社会福祉法人・協会団体・自治体向けの幼保特化型弁護士による研修講師サービス「かなめ研修講師サービス」です。顧問弁護士として、全国の幼保事業所の顧問サポートによる豊富な実績と経験から実践的な現場主義の研修を実現します。

社会福祉法人の研修担当者様へは、「職員の指導、教育によるスキルアップ」「職員の悩みや職場の問題点の洗い出し」「コンプライアンスを強化したい」「組織内での意識の共有」などの目的として、協会団体・自治体の研修担当者様へは、「幼保業界のコンプライアンス教育の実施」「幼保業界のトレンド、最新事例など知識の共有をしたい」「各団体の所属法人に対して高品質な研修サービスを提供したい」などの目的として最適なサービスです。

主な研修テーマは、「モンスターペアレント対応研修」「各種ハラスメント研修」「不適切保育・不祥事対応に関する研修」「保育事故に伴うリスクマネジメント研修」「個人情報保護に関する研修」「各種ヒヤリハット研修」「メンタルヘルスに関する研修」をはじめ、「課題に応じたオリジナル研修」まで、幼保事業所が直面する様々な企業法務の問題についてのテーマに対応しております。会場またはオンラインでの研修にご対応しており、全国の社会福祉法人様をはじめ、協会団体・自治体様からご依頼いただいております。

現在、研修講師をお探しの幼保事業者様や協会団体・自治体様は、「かなめ研修講師サービス」のWebサイトを是非ご覧ください。

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この記事を書いた弁護士

幼保業界に特化した「弁護士法人かなめ」運営の法律メディア「かなめ介護研究会」

畑山 浩俊はたやま ひろとし

代表弁護士

出身大学:関西大学法学部法律学科卒業/東北大学法科大学院修了(法務博士)。
企業側の立場で幼保事業所の労務事件や保護者対応事件を担当した経験から、幼保事業所での現場の悩みにすぐに対応できる幼保事業に精通した弁護士となることを決意。現場に寄り添って問題解決をしていくことで、幼保業界をより働きやすい環境にしていくことを目標に、「幼保事業所向けのサポート実績日本一」を目指して、フットワークは軽く全国を飛び回る。

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不適切保育おすすめ本「幼保事業者の重大事故・不適切保育対応」

幼保事業者の
重大事故・不敵保育対応

著者:弁護士法人かなめ
・代表弁護士 畑山 浩俊
・副代表弁護士 米澤 晃
・弁護士 中野 知美
・弁護士 南川 克博
発行元:中央経済社


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